ACIMとは、1976年にアメリカで出版された書籍 A Course In Miraclesの略称で、日本語版では、『奇跡のコース』または『奇跡講座』として知られています。
世界的に有名なスピリチュアルリーダーたちの多くが学ぶ有名な書籍で、現在27言語に翻訳されています。

奇跡講座は、その概念の体系を示す「テキスト(教科書)」、365の実践的なレッスンからなる「受講生のためのワークブック」と「教師のためのマニュアル」で構成されています。さらに、「精神療法」と「祈りの歌」の、祈りや癒しについての補完的な小冊子もあります。

アメリカ・コロンビア大学医学部医療心理学科の教授であった、ヘレン・シャックマンによるイエス・キリストからのチャネリングメッセージの筆記を、ウイリアム・セットフォードと共に7年間にわたり、二人で記録編集したものです。

奇跡講座は、赦しという知覚の訂正を通して、内なる平安と神の愛を思い出すスピリチュアルな心のトレーニングの一つの方法です。

日々の生活にこの教えを適用することで、これまで過去に学んできた怖れに基づいたすべての思考から、愛に基づく思考へと逆転していきます。

奇跡講座は、真理と幻想、愛と怖れ、聖霊と自我、幻想と真理の見分け方を教えてくれます。その違いを通して、私たちが、今、愛の思考か、恐れの思考かのどちらを選んでいるのかに、内なる声(聖霊&イエス)の導きにより、気づけるようになります。

そして、「私はどちらの思考を選びたいのかだろうか?」という深い気づきを促してくれます。

内なる声(聖霊&イエス)の助けを借りて、私たちは愛の思考を選びます。そして、愛の解釈で世界を見ることを教えてもらえます。

これが本当の幸せを経験する幸せな学習者です。このように、私たちは肉体・個人ではなく、聖なる神の子スピリットであるということを思い出すのです。


奇跡講座のは次のように始まります。

「これは奇跡についてのコースである。必修科目である。いつ受講するかだけがあなたの自由である。自由意志とは、あなたがカリキュラムを編成できるという意味ではない。ある時期に何を受講したいかを選択できるということだけのことである。このコースは愛の意味を教えることをめざしてはいない。それは教えることのできる範囲を超えているからである。しかし、愛の現存を自覚できなくしている障壁を取り去ることは、確かに目指している。愛の現存そのものは生来あなたが、受け継いでいるものである。愛の対極は恐れであるが、すべてを包み込むものに対極はありえない。

したがって、このコースは次のように極めて簡潔に要約できる。

実在するものは脅かされない。実在しないものは存在しない。ここに神の平安がある」(『奇跡講座 上巻』序文2:2-4)

真理は、不変であり、永遠です。

それは愛であり、神の法であり、ただ在るのみで、永遠に変化しない満ち足りたものです。

一方、この世界は、神が創造した世界ではなく、神から分離したと信じている自我によって作られた世界です。

「世界とは、誤った知覚である。それは誤りから生じており、その源である誤りから一度も離れたことはない。世界が存在するのは、それを生み出した想念が大切にされている間だけである。分離の想念が真の赦しの想念にかわれば、世界はまったく異なるものに見えてくる。それは真理に至る見方であり、真理の中では全世界とともにその誤りも消滅する。もはやその源がなくなるので、その結果もまた消え去る」(『奇跡講座 下巻』W-pⅡ.3.1:1-5)

常に変化が伴います。この世界は、何かが足りないという欠乏の信念によって作られました。そのすべては、神から離れてしまったという、分離の幻想に基づいた知覚なのです。私たちは、内なる声(聖霊)による赦しという知覚の訂正を通して、すべての分離や怖れの知覚と信念から解放されます。その分離の信念が愛に置き換わり、私たちは愛から離れたことは一度もなかったという真実を受け入れ、平安を経験します。

このように、奇跡講座は、心(マインド)のトレーニングの一つのツールであり、世界や出来事を変えることなく、私たちを心の平安へと導きます。